変容する日本型新卒採用
新卒採用は多くの国で行われているが、日本の新卒採用には独特のシステムがある。大まかにまとめると、「大学在学中の早い段階から選考を行い」「職種とは関係なく一括で採用し」「初任給はほぼ横並び」ということになるだろう。そして、この新卒採用のシステムは、「終身雇用」「年功序列」「企業内組合」に代表される日本的雇用慣行の入り口を構成してきた。
しかし、1990年代以降、企業を取り巻く経済環境は激変。日本的雇用慣行は変化を余儀なくされているが、その波は新卒採用にも及んでいる。従来型の新卒採用システムでは、欲しい人材を効率よく採用できないのではないか、本当に必要な人材を逃してしまっているのではないか…。そう考える企業が、次々と新しい新卒採用の手法や考え方に目を向けはじめているのだ。
こうした企業側の動きを支援するために、新卒採用関連サービスを提供する各社も進化を遂げている。従来にはなかった新しいサービスも生まれてきた。「新卒採用.jp」では、新卒採用をめぐる現状を整理するとともに、次世代の新卒採用に対応する最新サービスを紹介していきたい。
■参考文献(順不同)
- 週刊東洋経済(2010.11.13)特集「就職 新氷河期」 東洋経済新報社 2010
- ワークス(No.102)特集「新卒選考ルネサンス」 リクルート 2010
- ワークス(No.61)特集「新卒採用の新たな潮流」 リクルート 2003
- 「新卒採用」の潮流と課題 リクルートワークス研究所 2010
- 大卒就職の社会学 苅谷剛彦/本田由紀 東京大学出版会 2010
- 教育の職業的意義 本田由紀 ちくま新書 2009