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新卒採用の実務(5)内定者フォローと受け入れ準備

<INDEX>
(1)内定の実務
(2)内定者フォローの目的
(3)内定者フォローの方法
(4)新入社員の受け入れ準備

近年の新卒採用活動の中で、内定者フォローの占める位置づけが大きくなっている。採用スケジュールが後ろ倒しとなり、就職サイトがオープンしてから内定(内々定)が出るまでの時期が短縮されたことで、学生たちの自己分析や企業理解のための時間が短くなっているからだ。丁寧に内定者へのフォローを行い、入社への意思を固めさせることは、採用目標数を達成する上でも重要な施策と言える。効果的な内定者フォローとはどういうものか、そのポイントを整理していこう。

(1)内定の実務

●内定の通知は、文書で適切に行う

書類選考、筆記試験、適性検査、面接試験などを経て採否を決めたら、ただちに文書で通知し、採用に関する手続き書類の提出を求める。学生にとって就職は、まさに人生における一大イベント。そういう意味でも、以下に示した事務の流れをチェックし、通知漏れが生じたり、不採用者への配慮を欠いたりすることのないよう、注意しなければならない。

■採用決定後の必要事項
【内定通知書の送付】
採否の通知は、募集要項で示した選考結果通知の期限内のなるべく早い時期に文書で行う。内定の場合、まず電話でその旨を伝え、同時に文書を発送するのが一般的だ。内定通知書には入社日を明記し、差出人は人事部長または社長とする。応募する側である学生は、とにかく早く就職先を決めたいという心理から、内定を得るまで並行して就職活動を行うケースが多い。優秀な人材を採用するためにも、タイミングよく通知を行い、辞退防止に努めなければならない。
【入社承諾書の提出】
内定通知書に入社承諾書を同封し、記名・捺印の上、返送してもらう。その際、会社が内定通知書を出し、応募者が入社承諾書を提出することにより、会社と応募者との間に「雇用契約」が成立した旨を説明する。入社承諾書を提出してもらうことで、他社に入社するのを抑制する効果がある。
【採用手続き】
入社承諾書が返送されてきたら、速やかに採用手続きに入る。手続きのために学生から提出してもらう書類は企業によって異なるが、一般的には以下のものが挙げられる。 雇用契約書/誓約書/源泉徴収票/年金手帳/雇用保険被保険者証/住民票/扶養控除申告書/家族手当、通勤手当、住宅手当など各種手当の申請書 など
【不採用者への配慮】
配慮を欠きがちなのが、不採用者への対応である。通知の遅れは、他の就職機会を妨げることになり、ぞんざいな対応は会社のイメージダウンにもつながるので、十分な配慮が必要だ。不採用者に対しては、書面などで採用に至らなかった旨をソフトな表現で相伝える。応募書類として送られてきた履歴書も同封するか、後日、改めて郵送するなどして返却するのが望ましい。もし返却できない場合は、募集時に募集広告や求人票などにその旨を明記しておく。

内定は、採用することを決定したという会社の意思を応募者に伝えるもので、会社・応募者の双方にとって極めて重要なものである。その意味からも内定は、明確な形で応募者に伝える必要がある。厚生労働省でも、内定が適切に行われるよう事業主が講ずべき措置について、以下のような「指針」を定めている(平成19年厚生労働省告示第275号)。

  1. 採用内定を行うに当たっては、確実な採用の見通しに基づいて行うこと。
  2. 採否の結果を明確に伝えること。
  3. 採用内定者に対しては、文書により、採用の時期、採用条件および内定の取消し事由等を明示すること。
  4. 採用内定者が学校等を卒業することを採用の条件としている場合には、内定時にその旨を明示するよう留意すること。
  5. 採用内定者について労働契約が成立したと認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定取消しは無効とされることに十分留意すること。
  6. 採用内定取消しを防止するため、あらゆる手段を講ずること。
  7. 採用内定取消しの対象者から補償等の要求があったときは、誠意を持って対応すること。

(2)内定者フォローの目的

●学生が抱える三つの不安を解消する

内定から入社するまでの期間、学生は非常に不安定な状況に置かれる。周囲からの雑音も多く、本当にこの会社でいいのかという迷いから、“内定ブルー”に陥るケースも少なくない。翌年に入社する会社生活への期待がある一方で、実は多くの不安を抱えているのだ。この不安は、就職活動中から内定、そして入社後まで続く。なぜなら、学生は本当の意味で社会人として働いた経験がないからだ。その不安を払しょくし、モチベーションアップを図っていくようにすることが、採用のミスマッチを防ぐためにとても重要である。

内定から入社までの間に学生が抱く不安は、大きく以下の三つにまとめることができる。内定者フォローを行う際、このような不安をいかに入社前に解消するかを考えなくてはならない。

■学生が抱える三つの「不安」
【社会人生活に対する不安】
社会人としての生活を経験していない学生は、まず、きちんとした社会人生活が送れるかどうか、大きな不安を感じている。就職活動を通して社会人生活を垣間見たといっても、実際に働いたわけではない。消費者から生産者へ、学生から社会人へとうまく気持ちや行動を切り替えられるかどうかは、本人にとっては重要かつ難易度の高い問題なのである。
【人間関係に対する不安】
上司や先輩社員・同僚とうまく人間関係を構築できるかという問題も大きい。これまで気心の知れた仲間を中心に過ごしてきた学生が、組織内外のさまざまな人間関係の下で協働作業を行い、ある時は競争関係に置かれ、結果を求められる世界に放り込まれるからだ。特にゆとり教育で育った世代は、このような人間関係に対する不安が大きいと言われる。
【仕事・キャリアに対する不安】
グローバル化が進み日本的な終身雇用制度が崩れていく中、多くの日本企業では処遇制度が年功主義から成果主義へと移った。そのような状況下で、昨今のビジネスパーソンにはキャリア自律が求められている。このようなパラダイムの変化を、学生も十分に承知している。問題はその中で、自分はどのようなキャリアを積んでいけばいいのか、そもそも能力的に仕事についていけるのか、といった“漠たる不安”を多くの学生が感じていることである。

(3)内定者フォローの方法

●あらゆる場面、機会を通じて不安を払しょくさせていく

前述した三つの不安を、入社する前に払しょくすることができる方法や場を積極的に提供することができるか。内定者フォローは採用担当者だけではなく、組織全体として取り組んでいくことが大きなテーマとなっている。それがうまくできれば、会社が自分たちのことを真剣に考えてくれているという安心(不安解消)感が、内定者の中に醸成されていく。その結果、内定当初に持っていた“ポジティブ”な気持ちを忘れ去ることなく、モチベーションをさらに上げていくことが可能となる。

近年の内定者フォロー策の傾向をみると、従来の懇親会やグループワークのほか、SNSを活用した情報発信・近況報告、メンターを活用した実体験に基づくフォロー、さらには親・保護者向けの対策など、多種・多様なアプローチが見られる。また、より長いスパンで入社後を見据えたキャリア開発を実施するケースもあるようだ。

また、企業風土の理解、仕事の理解、内定者や社員との関係、そしてキャリアに対する理解などに対する施策も重要だ。入社前にこれらについて理解を深めるほど、入社後のミスマッチが少なくなるからである。いずれにしても、あらゆる場面、機会を通じて内定者の不安を払しょくさせていくことが大切だ。以下に、代表的な内定者フォロー策とその目的を記す。

■内定者フォロー策とその目的
  社会人生活 人間関係 仕事・キャリア
アルバイト
社内・職場、工場・店舗などの現場見学
集合研修・合宿研修
個別面談・フォローアップ面談(人事部・採用担当)
マンツーマン教育(メンター、チューター制度)
ビジネスマナー(基本的なビジネススキル)習得支援  
社内報・社史などの送付  
ボランティアへの参加    
社内行事・イベント・レクリエーションへの参加  
内定者同士の交流・コミュニケーション(懇親会)  
役員・社員との懇親会・交流会  
グループワーク(共同作業)  
eラーニング・通信教育    
課題図書など感想文、レポート提出    
新聞・雑誌・書籍の購読    
セミナー・講演会への参加    
資格取得支援    
語学習得支援    
【その他】      
保護者・親向けの説明会      

●:主な目的、○:付随的な目的

※詳しくは『新卒採用.jp - 内定者フォロー』を参照

(4)新入社員の受け入れ準備

●「チェックシート」などを設け、受け入れ準備を万全にする

新入社員を受け入れるに当たり、人事部門はさまざまな準備に追われることになる。新入社員の受入準備に関する確認事項について、主要なものを以下に挙げる。

■受け入れ準備に関する主な確認事項
【書類・事務用品・貸与品関係】
・通知(採用決定通知書、入社の案内状、誓約書・労働契約書)
・提出書類(卒業証明書、学業証明書)
・社会保険(健康保険・厚生年金保険、雇用保険)
・賃金(労働者名簿、賃金台帳、扶養控除等申告書、通勤定期申請書、給与振込依頼書、住所届)
・服務(入社辞令、身分証明書、タイムカード、諸届出、就業規則類、社員名簿)
・福利厚生(財形貯蓄申し込み、従業員特殊持株会申し込み、団体生命保険加入手続き、共済会加入手続き、社宅・独身寮申し込み、健康診断実施関係)
【入社式関連】
・場所/レイアウト(開場の下見、PA関係のチェック、備品のチェック)
・式次第(前年度の内容見直し、コンテンツ決定)
・出席者連絡(スケジュールの確認と事前連絡・出席依頼)
・記念品の企画(前年度の内容見直し、関係者へのヒアリング)
・歓迎会の企画(前年度の内容見直し、関係者へのヒアリング)
【新入社員教育関連】
・カリキュラムとスケジュール(前年度の見直し、関係者へのヒアリング)
・講師選定と依頼(コンテンツとの整合性チェック、スケジュールの確認)
・場所(下見、備品のチェック)
・テキスト類(前年度の見直し)
・指導員の選定(スケジュールの確認と事前連絡)
・フォローアップ計画(進捗状況の確認方法決定)
【配属の準備】
・配属先決定・通知(関係者への連絡、新入社員への情報提供)
・予定業務の決定(関係者への事前準備の依頼)
・受け入れ準備(名刺、事務用品、貸与品など)
・指導員の選定(研修の実施、新入社員への情報提供)
・OJT計画(関係者との打ち合わせ)
【入社式当日関連】
・受付(事前に必要なものの最終確認)
・オリエンテーション(出席者への最終連絡・確認)
・入社式の連絡(出席者への最終連絡・確認)
・入社の手続き(提出品・貸与品等のチェック)
・新入社員教育開始(関係者との事前打ち合わせ)

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