2021年度の雇用動向に関する企業の意識調査
[2021.03.17]
2020年は有効求人倍率が大幅に低下し、新規学卒者の就職内定率も大きく低下するなど、労働需給がひっ迫していたこれまでの雇用環境とは大きく動向が変化した。そうしたなか、政府は新型コロナウイルスによる影響を受けた企業を対象とした雇用調整助成金などの各種施策や、高年齢者の雇用機会拡大に向けた法整備を進めるなど、積極的に雇用の下支えを行っている。
そこで、帝国データバンクは、2021年度の雇用動向に関する企業の意識について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年2月調査とともに行った。
※調査期間は2021年2月12日~28日、調査対象は全国2万3,702社で、有効回答企業数は1万1,073社(回答率46.7%)。なお、雇用動向に関する調査は2005年2月以降、毎年実施し、今回で17回目
※本調査における詳細データは景気動向オンラインに掲載している
<調査結果>
- 2021年度に正社員の採用予定がある企業は55.3%となり、前回調査(2020年2月)から3.9ポイント減少した。3年連続の減少となり、2012年度(54.5%)以来の水準まで低下した。規模別では、「大企業」は79.5%(同3.4ポイント減)で8年ぶりに8割を下回り、「中小企業」は50.2%(同3.4ポイント減)となり、規模を問わず慎重な姿勢を示す結果となった
- 2021年度の正社員の採用見込みを新卒新入社員と中途社員でそれぞれ尋ねたところ、「新卒新入社員」は39.1%、「中途社員」は45.0%となった。大企業では新卒、中小企業では中途採用の割合が高くなっており、特に中小企業からは社員への教育にかける時間がないため即戦力を求めるという意見が多くみられた
- 非正社員では、採用予定がある企業は36.8%で前回調査から7.4ポイントの大幅減となり、9年ぶりの3割台まで減少した。業種別では、従来人手不足が深刻だった「飲食店」が73.1%でトップ。次いで、スーパーマーケットなどを含む「各種商品小売」が69.6%で続いた
- 2021年4月より新たに努力義務となる「70歳までの就業機会確保」への対応について尋ねたところ、「70歳までの継続雇用制度の導入」が25.4%で最も高くなった(複数回答、以下同)。加えて、「もともと70歳まで働ける制度がある」は16.4%、「(現時点で)対応は考えていない」は32.4%だった。「分からない」は14.9%となり、対応を決めかねている様子もうかがえた。企業からは前向きな意見も聞かれた一方で、業種によって体力面などさまざまな課題があげられた
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(株式会社帝国データバンク / 3月15日発表・同社プレスリリースより転載)