新卒採用.jpトップ > よくわかる講座&記事 > 2013年 新卒採用の動向と対策【後編】~どうする?2013年新卒採用戦線の戦い方[3/3ページ]
このエントリーをはてなブックマークに追加

2013年 新卒採用の動向と対策【後編】[3/3ページ]
~どうする?2013年新卒採用戦線の戦い方

123

2013年の採用戦線をどう戦うか

「短期化~長期化」傾向の中でのポイント

今回、採用に関する広報が2ヵ月遅れたことで、会社説明会から選考までの期間が短縮した。学生にとって、12月までは企業情報を入手しにくい状況にあり、十分な業界研究や自己分析の時間を持つことができないまま、会社説明会に参加することになった。

一方、企業側も年内のセミナーを中止したことで、1月以降の会社説明会に集約するケースが続出した。このように、選考開始までが「短期化」したことにより、企業と接触する機会が大幅に減った学生は、例年以上に知名度のある大手企業への就職志向がさらに強まっていった。そのため、中堅・中小企業においては、応募者、そして内定者の確保が一段と難しくなると予測される。その結果、採用戦線は中堅・中小企業を中心に、いっそうの長期化の様相を呈していくことになる。この選考開始までの「短期化」、新卒採用全体を見た場合の「長期化」の傾向の中で、いかに2013年の採用戦線を戦っていくのか。以下、その対策を考えていきたい。

1)4月以降の「第2のピーク」をどう迎えるか

「短期化~長期化」の中で留意したいのは、大手企業を中心に、3月まで活動を自粛していた企業が4月の第1週から2週にかけて、一気に採用選考を開始するという事実である。限られた期間に企業の選考が集中するので、学生が受けられる企業の数は限られてくる。当然、全ての企業と学生との間にベストマッチング(納得のいく内定)は実現できない。その結果、短期決戦期間中に納得のいく企業から内定を得られなかった学生は、すぐに次の会社を探し始める。4月の第3週以降あたりに、採用活動の第2のピークが来ることだろう。

特に、大手企業と比べて知名度等で劣る中堅・中小企業では、この第2のピークを想定した採用活動を考えることが重要である。この時期に学生へのアプローチをどう仕掛け、いかに第2のピークを実のあるものしていくか。そうした点からも、学生とのコミュニケーションを図り、動機づけをしておく3月までの間は、今回のように短期決戦を強いられたとしても、母集団形成を図るための重要な時期となる。

一方、今年度の採用目標数を確保した企業では、この時期から「内定フォロー」が始まることになる。

2)動機づけの高い「母集団」を形成する

新卒採用の結果に不満を覚える企業では、母集団形成がうまくいかなかったことを大きな要因として挙げている。エントリー数が一定以上あったとしても、最終的には動機形成された母集団を作ることが、新卒採用においては非常に重要だからである。中堅・中小企業や創業間もないベンチャー企業でも、他社とは違うところ、自社ならではの特色や魅力を伝えることができれば、より多くの学生を選択肢に入れられる可能性は高い。情報の出し方を工夫し、自社の魅力をより具体的に伝えていくことができれば、動機づけの高い母集団形成を実現することができるのだ。

では、どのように動機づけをして母集団形成を行っていけばいいのか?それには、自社の仕事のやりがいを魅力的に語ることが有効である。例えば、多くの企業にとって「営業」「販売」は経営の収益に関わる職種である。しかし、昨今の学生は「宣伝・PR」「商品企画」「マーケティング」「コンサルティング」といった職種に目が向いており、採用広告に「営業」「販売」とあっただけで、志望先から外してしまうケースが少なくない。実態から考えていけば、生命保険の営業は「コンサルタント」であり、スーパーの販売職なら「販売企画」であり、量販店の販売職ならそれを「空間開発」とやりがいの要素へと紐づけることができる。つまり、自社のコアとなる仕事について、分かりやすく噛み砕いて説明し、それを学生にとって魅力のあるもの、やりがいのあるものに意味づけしていく作業が不可欠なのである。それを、社内のエース級の人材に語ってもらい、リアリティーを持たせていく。こうした仕事の翻訳作業が、採用の成否を大きく左右する。

3)「内定ブルー」の学生が増加、5月以降も活動を継続

短期決戦を強いられたことで、満足のいく就職活動を行えていない学生は少なくない。「もっと自分に合った企業があるのではないか」「内定をもらったが、この企業、この職種でいいのか迷っていて、就職活動を止められない」「内定をもらってからが本番」などと考える学生は多いと想定できる。しかし、考えてみれば、社会人でも仕事を通して自分が何をしたいのか、明確に答えられる人は少ないだろう。ましてや、まだ社会人として働いたことのない学生である。昨今の就職環境下では、このような「内定ブルー」の状態に陥っても何の不思議もない。

だからこそ、就職活動の第2のピークとなる4月の第3週以降、そしてゴールデン・ウィーク明けからの後半戦は、採用数が十分ではない企業にとって、チャンスとなる。実際、早期化により志望意思が固まらない内に選考に落ちた学生や、これから活動を開始する学生の中には、ポテンシャルの高い学生が数多く存在している。春のピーク時に充足しなかった場合は、初夏、夏、秋と採用を継続していくことである。

4)「ソーシャルリクルーティング」で、ダイレクトにコミュニケーションを図る

学生とのコミュニケーションを図る際、相手に正しく理解してもらえるように工夫しなくてはならない。会社情報や募集職種などの情報に加え、募集背景や会社・経営者の思い、社風、そして「なぜ、あなたなのか」といった情報を説得力のある言葉で伝えていくことが重要である。

例えば、「こういう説明会・選考を行います」「あなたのこういう良いところを見ます」というような具体的な内容を示したり、「○○が好きな人を必要としています」というような本人の可能性・長所にスポットを当てた内面に訴えるメッセージを送ったりすることで、応募への意識づけを図っていくことができる。

その点で注目を集めているのが、「ソーシャルリクルーティング」である。一昨年あたりから、従来型の新卒採用メディアに満足できない企業の多くが、大きなポテンシャルを秘めた次世代型採用手法として関心を持つようになっている。そもそも「ソーシャルリクルーティング」とは、TwitterやFacebook、YouTubeなど、いわゆる「ソーシャルメディア」を使った採用活動のことで、企業と学生の相互理解をより深めていくのに有効なツールと言われる。また、以下のようなメリットもある。

  • 面接やグループセッションといった従来型の選抜プロセスでは難しかったコミュニケーションを可能にし、企業・学生にとって満足度の高い採用を実現する
  • 地方在住の学生と距離を超えたコミュニケーションを実現することで、告知にかかる費用を大幅に削減できる
  • 先進的な取り組みを行う企業、人材を重視する企業といった良いイメージづくりができる

事実、最近の学生はこのようなメディアや、スマートフォンに対して大きな興味・関心を持っている。マイナビが行った「2013年 マイナビ大学生のライフスタイル調査」によると、就職活動を行っている学生のスマートフォンの所有率は、昨年は16.4%だったが、今年は59.3%と急増している。そして、スマートフォン所有者の9割以上が「就職活動に役立つ」と回答している。役立つ理由は、「企業セミナーの予約、確認」86.0%、「企業からのメッセージの確認」74.6%、「地図の閲覧」69.1%などで、時間や場所を問わず企業からの情報を確認できるという点が好まれていることが分かる。もはや就職活動には欠かせないメディアとして、スマートフォンが位置付けられていることが分かる。

■図表5:スマートフォンをもっていますか(%)

  2013年卒 2012年卒
はい 59.3 16.4
いいえ 40.7 83.6

■図表6:スマートフォンは就職活動に役立つと思いますか(%)

はい 95.3
いいえ 4.7

■図表7:スマートフォンは就職活動のどのような場面で役立つと思いますか(%)

企業セミナーの予約、確認 86.0
企業からのメッセージの確認 74.6
地図の確認 69.1
面接の予約、確認 58.0
エントリー 44.7
スケジュールの管理 37.4
twitter、FacebookやSNSでの情報収集 28.4
twitter、FacebookやSNSで学生同士の情報共有 27.8
企業研究や業界研究 27.2
その他 1.0

※図表5~7:マイナビ「2013年卒 マイナビ大学生のライフスタイル調査」(2012年)

今回のように、限られた期間でマッチングを実現するには、自社の特色や魅力を学生に分かりやすく伝える情報の見せ方がポイントとなる。その意味でも、これからはこのようなソーシャルメディアを使ってオンラインセミナーを行うなど、参加への敷居を下げ、企業側も特別な負担がなく行える採用手法の導入を考えていくべきであろう。何より、自社と合う人材とダイレクトにコンタクトを取る採用戦略が、これからの時代には不可欠となってくるからだ。

*            *

思えばインターネットによる採用が定着してから、10年あまりが経過した。その間、個に対応した密なコミュニケーションがますます求められるようになってきた。倫理憲章の改定で選考の短期化、採用活動全体では長期化がより進むことになってきたが、このような学生や採用環境を取り巻く変化に素早く対応し、変化し続けていくことが、いま企業には求められている。

解説:福田敦之(HRMプランナー/株式会社アール・ティー・エフ代表取締役)

123

←前の記事へ次の記事へ→

新卒採用サービスをご希望の企業様へ

『新卒採用.jp』の掲載企業・サービスについて事務局のスタッフが、ご紹介・ご案内いたします。

  • 掲載企業に一括お問合せが可能です
  • 特定の企業に絞ってのお問合せもできます
  • 企業選定のご相談も承ります

まずは下記「お問合せ」ボタンをクリックし、ご連絡先、ご要望等を入力の上、事務局までお気軽にお問合せください。

お問合せ
プライバシーマーク