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2013年 新卒採用の動向と対策【前編】[2/2ページ]
~どうなる?2013年新卒採用の見通し

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注目を集める「外国人学生」の採用意向は?

人材確保の手段として、当面、新卒採用がなくなることはないだろう。ただ、慢性的あるいは構造的に人手不足を訴える一部の業種・業界を除き、新卒者に対する「厳選採用」の傾向は、今後も続くことは間違いないと思われる。

そうした中で近年、グローバルに展開している企業などから、大きな注目を集めているのが日本の大学を卒業する外国人留学生や海外の大学を卒業する外国籍学生である。「外国人学生」のほとんどは、グローバル化に必須条件である「語学力」に長けている。これは日本人学生との決定的違いである。また、日本人学生にはないアサーション(自己主張)やプレゼンテーション能力を持つ学生が多い。一方、日本の学生は「ゆとり世代」ということもあり、外国人学生と比べると、どうしても見劣りする面が少なくないように感じる。

このような点から、近年、外国人学生を採用する企業が増えてきているが、その実情は、どうなのであろうか。「ワークス採用見通し調査」では、外国人留学生・外国籍学生に対する2013年卒者の新卒採用意向も聞いている。

大企業は、「外国人学生」の採用に積極的

photo結果を見ると、日本の大学・大学院を卒業する外国人留学生に対して、採用意向を示す企業は9.1%であり、採用意向のない企業が75.5%となっている(図表5)。しかし、これを従業員規模で比較すると、大きな違いが出ている。1000人未満の企業では採用意向を示す企業が8.9%であるのに対し、1000人以上の企業では35.4%と、3社に1社の割合を示しているのだ。

これは、海外の大学・大学院を卒業する外国籍学生に対する採用意向でも同じような傾向が出ている。全体では採用意向を示すのは7.8%にとどまるが、1000人以上の企業では29.1%と3割近くを占めているのである(図表6)。

これは、言うまでもなく大企業の方がグローバル展開を行っている企業が多いからである。だからこそ、外国人学生の持つ能力を高く評価しているのであろう。いずれにしても、今後、新卒の外国人学生の数が日本国内企業でも増えてくると、今はまだ躊躇しているドメスティックな日本企業も、採用意欲が高まってくると予測される。その意味でも、外国人学生を採用した企業がこの後、彼らをどのように活用していくのかが、大いに注目されるところだ。

■図表5:2013年卒者の新卒採用意向(日本の大学・大学院を卒業する外国人留学生【全体・従業員規模別・業種別】(%)
  採用意向あり 採用意向なし 未定 無回答
全体 9.1 75.5 13.9 1.6
1000人未満 8.9 75.7 13.8 1.6
1000人以上   35.4 28.6 35.3 0.8
1000~1999人 35.5 33.3 30.7 0.6
2000~4999人 36.8 25.2 37.5 0.6
5000人以上 32.1 19.2 47.0 1.7
製造業 6.7 80.0 13.2 0.4
流通業 15.5 68.7 12.8 3.0
金融業 11.3 83.6 4.9 0.3
サービス・情報業 7.5 73.3 16.9 2.3

■図表6:2013年卒者の新卒採用意向(海外の大学・大学院を卒業する外国籍学生【全体・従業員規模別・業種別】(%)
  採用意向あり 採用意向なし 未定 無回答
全体 7.8 76.6 14.1 1.5
1000人未満 7.7 76.8 14.0 1.5
1000人以上   29.1 34.1 36.3 0.4
1000~1999人 30.0 39.8 30.1 0.1
2000~4999人 29.1 28.7 41.8 0.4
5000人以上 26.5 25.2 46.7 1.7
製造業 5.1 80.6 14.2 3.0
流通業 13.5 70.0 12.4 0.1
金融業 11.2 83.9 4.6 0.3
サービス・情報業 6.8 74.1 16.8 2.3

※図表1~6:ワークス採用見通し調査(リクルートワークス研究所 2011年12月)

2013年卒の選考~内定の状況

次に、ディスコが行った「採用活動に関する企業調査」から、2013年卒の選考、内定に関する見通しについて見ていくことにしよう。

大企業は4月に集中するも、中小企業では7月以降が少なくない

photoまず、選考開始時期については、25.3%の企業が「4月上旬」と回答している(図表7)。また、昨年と比べると、4月以前に選考を開始する企業の割合が大きく減少していることが分かる。「倫理憲章」の影響もあって、このような結果となったと思われる。従業員規模別に見ると、1000人以上の大手企業では「4月上旬」46.1%と半数近くが集中するのに対し、299人以下の中小企業では4月以降での選考開始が少なくなく、「7月以降」も10.9%に及んでいる。

次に、内定(「内々定」を含む)の開始時期を見ると、「4月下旬」が15.6%と最も多く、内定提示のピークが4月になる点は例年と変わらないようだ(図表8)。ただし、「7月以降」も13.2%に達している。従業員規模別では、1000人以上の大企業では4月中での内定開始が52.2%と過半数を占めるのに対し、299人以下の中小企業では24.0%にとどまっている。さらに「7月以降」が20.3%と、長期化の様相を呈していることが分かる。

ここから2013年の選考~内定の状況を推測すると、大手企業の4月決着の影響を中小企業が大きく受けて、昨年と比べ、より一層の長期化傾向になっていくと思われる。

■図表7:選考の開始【2013年度全体・従業員規模別・2012年度全体】%

  2013年度 2012年度
全体 299人以下 300~999人未満 1000人以上 全体
1月以前 9.1 10.5 8.2 7.3 11.9
2月上旬 5.8 5.4 5.0 7.3 8.2
中旬 6.8 5.2 8.9 7.3 8.0
下旬 4.4 3.1 6.4 4.7 5.7
3月上旬 9.2 6.9 13.2 9.1 11.8
中旬 5.7 5.2 7.5 4.3 7.2
下旬 3.9 4.4 3.6 3.4 7.2
4月上旬 25.3 16.9 22.4 46.1 17.5
中旬 7.1 8.4 7.5 3.9 5.2
下旬 4.5 5.2 6.0 1.3 2.9
5月上旬 3.4 5.2 2.5 0.9 3.1
中旬 3.2 4.8 2.1 1.3 2.8
下旬 1.1 2.1 0.4 0.0 1.3
6月上旬 2.4 3.3 2.1 0.9 1.2
中旬 1.5 1.7 1.8 0.9 1.2
下旬 0.3 0.6 0.0 0.0 0.6
7月以降 6.3 10.9 2.5 1.3 4.4

■図表8:内定の開始【2013年度全体・従業員規模別・2012年度全体】%

  2013年度 2012年度
全体 299人以下 300~999人未満 1000人以上 全体
1月以前 1.8 2.6 0.7 1.3 2.1
2月上旬 0.7 0.4 1.8 0.0 0.9
中旬 1.0 1.5 0.4 0.9 0.6
下旬 1.3 1.5 1.1 1.3 3.2
3月上旬 1.5 1.7 1.1 1.3 3.2
中旬 2.1 3.1 1.1 1.3 3.7
下旬 3.3 3.3 3.3 3.6 5.2
4月上旬 12.1 7.6 16.8 15.6 16.1
中旬 8.8 5.7 9.5 14.3 10.9
下旬 15.6 10.7 18.2 22.3 15.3
5月上旬 9.8 10.3 8.0 11.2 9.2
中旬 8.9 8.1 10.6 8.5 7.1
下旬 8.4 9.0 8.8 6.7 6.6
6月上旬 5.4 7.2 5.1 2.2 4.6
中旬 2.9 3.1 3.6 1.8 2.6
下旬 3.1 4.1 2.2 2.2 2.3
7月以降 13.1 20.1 7.7 5.8 8.5

12月スタートとなったことの影響は?

2013年卒の新卒採用において、日本経団連は倫理憲章の中で「広報活動の開始」「選考活動の開始」に関して、以下のような要請を会員企業に対して行った。この影響は企業や採用サービス会社はもちろん、就職活動を行う学生にも少なからぬ影響を与えた。

(1)広報活動の開始

インターネット等を通じた不特定多数向けの情報発信以外の広報活動については、卒業・修了学年前年の12月1日以降に開始する。それより前は、大学が行う学内セミナー等への参加も自粛する。また、広報活動の実施にあたっては、学事日程に十分配慮する。

(2)選考活動の開始

面接等実質的な選考活動については、卒業・修了学年の4月1日以降に開始する。

広報活動が2カ月後ろ倒しになったことは、大手企業に影響

photoディスコの調査では、採用広報開始が2ヵ月遅れたことによる懸念について聞いている(図表9)。その結果を見ると、最も多かったのは「学生の企業理解・業界理解の不足」(42.3%)、次いで「採用戦線の予測が困難」(42.2%)であった。以下、「採用・選考開始の短縮・集中」40.1%、「エントリー学生数の減少」35.1%、「面接受験者数の減少」25.4%、「採用・選考期間の長期化」22.1%と続いており、2ヵ月遅れの採用広報開始について、さまざまな懸念を抱く企業の多いことが見て取れる。

従業員規模別の特徴を見ると、299人以下の中小企業は「特に懸念はない」が39.5%と4割近くを占めるのに対し、1000人以上の大手企業では「学生の企業理解・業界理解の不足」や「エントリー学生数の減少」をはじめとして、各項目の割合が中小企業と比べて非常に高くなっている。今回の「倫理憲章」の影響については、特に大手企業が影響を強く感じていることがよく分かる結果だ。

■図表9:採用広報開始が2ヵ月遅れたことによる懸念【全体・従業員規模別】%

  全体 299人以下 300~999人 1000人以上
学生の企業理解・業界理解の不足 42.3 28.0 50.6 66.5
採用戦線の予測が困難 42.2 33.8 51.2 50.8
採用・選考開始の短縮・集中 40.1 30.7 50.9 48.8
エントリー学生数の減少 35.1 22.0 43.3 56.3
面接受験者数の減少 25.4 17.9 31.9 35.0
採用・選考期間の長期化 22.1 16.7 27.9 27.6
採用広報メディア選定の遅れ 3.8 3.6 4.3 3.9
その他 0.3 0.3 0.6 0.0
特に懸念はない 26.9 39.5 16.9 9.4

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今回の「倫理憲章」により、「会社説明会」から「選考」までの期間が大きく短縮化された。その結果、学生は十分な業界研究、企業研究ができないまま、説明会に参加することになった。また、企業側においても「会社説明会」が1~3月に集中することで、母集団形成が厳しい会社が出てきている。そのため、今の時期企業は、より魅力的な説明会を開催する必要があるだろう。

いずれにしても、昨年とは採用戦線の戦い方が変わってきたことは間違いない。『後編』では、「これから企業は具体的にどう戦っていけばいいのか」を中心に、話を進めていく予定である。

解説:福田敦之(HRMプランナー/株式会社アール・ティー・エフ代表取締役)

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