
2018年卒採用は育てる採用へ
2017年卒業予定学生の採用活動もほぼ終盤を迎えました。
8月末時点での内々定率は前年同月比8.4pt増の77.5%。
未内々定者を含めた就職活動を継続する学生の割合も
前月比7.8pt減の35.9%となり、
例年以上に学生の活動終了時期は早まっています。
過熱化している採用市場において
中小企業が優秀な人材を獲得するのは困難な状況です。
そんな状況下で採用活動を成功させるにはどうすればいいのか。
私が推奨するのは「育てる採用」です。
一般的に採用活動は、惹きつけと見極めの
2つの要素で成り立っています。
自社にとって優秀と思われる人材を
いかに入社まで結びつけるか。
そこに各社とも様々な創意工夫をしています。
私が推奨する育てる採用は、
見極める能力に、伸びしろを加えた採用活動のことを指します。
社会人との接点も少なく、働いた経験もない学生は、
就職活動の初期段階では、まだまだ未熟で粗削りです。
そんな学生が就職活動を通じて多くの社会人と接し、
面接官から受ける質問に答えていくことで、
自身の考え、あり方を整理していきます。
複数社の複数回の面接を経験し、
学生は成長していくのです。
自社の採用活動においてこの伸びしろを見極めるには、
同一の面接官もしくは人事担当者を配置し、
面接ごとに課題を設定し、
次回選考までにどれだけ克服しているかを見ることが重要です。
素直で吸収力がある学生は、次の選考時に課題をクリアしてきます。
中には期待以上の成長を見せる学生もいます。
企業理解度、仕事理解度が深まり、
入社後の活躍イメージを湧かせる学生もいます。
そういった学生は入社後の研修効果も高く、
成長していく傾向があります。
自社が求める人材をいかに集めるか、
という母集団形成も大切ですが、
数は少なくても、自社を志望する学生の中から、
伸びしろを持つ人材、可能性を持つ人材を選抜、確保していくことが、
中小企業の採用にとっては重要な考え方になります。
有効求人倍率も2016年7月には1.32倍と
1991年以来25年ぶりの高い数値を示しています。
これは求人企業が増えていることもそうですが、
それ以上に、求職者数が減少していることが影響しています。
少子高齢化が進行する世の中において、
この傾向は今後も継続していきます。
会社の未来を担う可能性のある、若くて活きのいい人材を
新卒採用市場から獲得し、中心人材へと育成していくことが、
企業成長を考える上で重要なことは周知の事実です。
くしくも25年前にプロ野球セリーグで優勝したのは広島東洋カープです。
25年ぶりの優勝を果たした
広島東洋カープの採用、育成の考え方は、
中小企業の経営者にとっても参考になることが多いと思います。
是非2018年卒業予定者の採用活動では、
育てる採用の考え方を頭の片隅に置いてください。
きっと採用活動が一段進化することでしょう。
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株式会社カケハシ スカイソリューションズ ヒューマンリレーション事業部 執行役員 |
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中堅中小企業の人材採用(新卒採用・中途採用)を、プロジェクトパートナーとしてお手伝いします。 1974年9月23日、大阪府出身。1997年近畿大学を卒業後、人材採用コンサルティング企業に入社。これまでに述べ500社を超える中堅・中小企業の採用活動を支援している。 |
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